妊娠して、赤ちゃんが授かった喜びを実感すると同時期に始まるのが「つわり」という、妊婦さんにとっては、あまり好ましくない体の拒絶反応です。
「つわり」の症状は人それぞれですが、あまりにも辛い症状ですと、赤ちゃんを授かった幸せな気持ちよりも、つわりの辛さの方が勝ってしまう事もあるようです。
そんな「つわり」の症状の一つに「唾液づわり」と言われるつわりがあります。
「唾液づわり」になる方の人数はあまり多くはないのですが、
なってしまうと唾液づわりの症状はかなり辛い場合が多く、どう対処すればいいのか、悩んでしまう妊婦さんも多いようです。
また、周りに同じような症状があった方も少なく、産婦人科医でさえ「唾液づわり」の存在を認知していないお医者さんもいるので、
辛さを話しても誰にも理解してもらえず、中にはその症状がつわりだと気付かない方もいらっしゃいます。
今回は、そんな「唾液づわり」に悩んでいる妊婦さんに「唾液づわり」になってしまう原因とはどのような事なのかについてと、
症状に対する対処法についてご紹介していきたいと思います。
唾液づわりはいつまで続く?

「唾液づわり」とは、妊娠する事によって唾液が多量に出るようになって「唾液過多」の状態になってしまうつわりのことを言います。
この「唾液つわり」は、一般的に「つわり」と言われるものが始まる妊娠初期頃から始まり、
一番症状が辛いのは、妊娠10週~20週位までの妊娠初期~中期位と言われています。
唾液づわりは他のつわりの症状と重なって現れる事もあり、気持ち悪くて吐いてしまってはよだれが大量に出てしまったり、
食べていないと気持ち悪くなるのに、食べると唾液が更にでてしまう…といった症状になってしまう方もいらっしゃいます。
さらに、一般的な「つわり」は妊娠中期位になると落ち着いてくることがほとんどですが、
「唾液づわり」は、ピーク時を過ぎれば段々と症状が弱くなってくる方が多いですが、
それでも長い期間症状が続いてしまう場合が多く、赤ちゃんを出産してからやっと症状が出なくなったという事も少なくありません。
そんなに長く続くと思うと、それだけでとっても暗い気持ちになってしまいますよね。
誰も変わってくれない「唾液つわり」の辛さ…
厳しいようですが、これは、どうにかしてご自身で対処していくしかないのです。
でも、対処の方法がご自身の身体に合っていれば、つわりの辛さを軽減する事も出来ますし、
どうしても辛い時は、他の家事などは家族に協力してもらったり、多少は手抜きになってしまっても仕方のない事ですから、
ご自身の身体を一番に考えて優先してあげて下さい。
つわりに耐えて、お腹の赤ちゃんの命を守って育むことが出来るのは、あなたしかいないのですし、
赤ちゃんが無事に生まれて来てくれれば、そのつわりの辛さも忘れるくらいの「愛おしい気持ち」でいっぱいになるはずですから、
どうにか乗り越えて頑張っていきましょう。
唾液づわりの原因と対策とは

唾液づわりになる原因は、特定されてはいませんがいくつかの要因が考えられます。
<水分の滞り>
まずは、妊娠により体内の水分の巡りが悪くなり、体内に余分な水分が滞ってしまうことで起こってしまう「水毒」と呼ばれる症状です。人間のほとんとが血液や体液を含めた「水分」で出来ています。
ですから、出来るだけいつも体内の巡りを良くしていないと、体に何らかの異変が起こってきます。
妊娠中は、水分の代謝機能が低下してしまいますので、停滞して溜まってしまった余分な水分を「唾液」として体から出そうとする反応ではないかと考えられます。
対策
「水害」による唾液づわりの対策としては、体の代謝を良くすることです。例えば、軽くストレッチをしたり、家事をする時に少し大袈裟に身体を使ってみたり、最近はマタニティヨガなんていうものも流行っていますよね!
出来る範囲で構いませんので、なるべく身体を動かして身体を温める事を意識してみましょう。
お医者さんに、身体を動かすのを禁止されている方もいらっしゃると思います。
そういった方は、なるべく身体を冷やさないようにしてみて下さい。
例えば、冷たい物を食べたり飲んだりしないようにしてみたり、薄着をしないように心がけてみましょう。
そして、あったかい汁物や、温かいハーブティーなどを積極的に取るようにして、なるべく体を露出しない服装をして身体を温めるようにしてみてくださいね。
身体が温まると、自然と代謝が良くなりますし、代謝が良くなることで汗が出たり、トイレの回数も増えて、余分な水分が身体から出ていきます。
そうすることで、唾液が出る量も減ってくることが期待できます。
<体内のビタミンB6不足>
ビタミンB6の摂取量が不足すると、唾液の分泌に異常をきたす可能性があります。
特に、妊婦さんはつわりや赤ちゃんに栄養を届ける為に、体内の色々な栄養素が不足しがちです。
さらに、ビタミンB6は人が幸せを感じる事が出来る為に必要なホルモン「セロトニン」を作り出す為に必要な栄養素でありますから、
ビタミンB6不足は、幸せな気持ちになれなくなってしまう…なんてことも考えられるのです。
これでは、さらに辛い気持ちになってしまいそうですよね。。
対策
対策としては、ビタミンB6が多く含まれた食材を摂取していただくという事になります。
ビタミンB6は、唐辛子やニンニク、マグロ、レバー、カツオなどに多く含まれます。
どうしても食事がとれない場合には、バナナにも多く含まれますのでバナナをミキサーにかけてジュースにして飲んだり、
バナナでも受け付けない…といった時には、サプリメントで摂取してもいいですが、妊娠中のサプリメントの摂取には制限がある為、
産婦人科の先生に相談してから飲むようにしてくださいね。
<ストレスによるホルモン異常>
妊娠中には、何かと不安も感じやすくなります。また、ホルモンバランスの変化によって、気持ちも不安定になりがちです。
精神的な不安が気づかないうちに「ストレス」になってしまっていることもあるでしょう。
「ストレス」は、体にとってあまりいい影響はありません。
人はストレスを感じると、ストレスホルモンである「コルチゾール」が分泌させるようになります。
この「コルチゾール」に影響を受けて、唾液の分泌に異常が起きるという事が考えられます。
対策
ストレス対策としては、気分転換にどこかに行ったり、誰かと話したり…といったことが有効ではありますが、「唾液づわり」になってしまうと、唾液がでてくることが気になってしまって、出かけたり誰かと会う事をすることが辛い事になってしまう事もあります。
そういった時には、家の中など人目が気にならないところで出来るストレス解消法を見つけてみましょう。
例えば、好きなアーティストのDVDを見てみたり、自分が熱中できるゲームをしたり、面白くて引き込まれるドラマ見てみたりしてみると気分転換になるかと思います。
もちろん、家事をするのが好きな方は、家じゅうをピカピカにしてみるのもいいかもしれません。
すぐには、唾液の量が減らなかったとしても、何かに集中することで、辛い気持ちから離れる事が出来たり、
気持ちがリフレッシュする事には大きな効果が期待できます。
また、唾液づわりの対処法として、漢方薬を処方してもらうという方法もありますが、
漢方薬は、その人その人によって効き目が変わってきます。
効く人にとってはとっても良く効きますが、効かない人には何の効果もない場合もあります。
ですから、漢方薬を試してみたい場合には、かかりつけの産婦人科の先生と、漢方の専門家の先生に相談してから始めるようにして下さいね。
大量の唾液が出てしまった時の対処法

そうは言っても、今出てるこの大量の唾液をどうすればいいのかわからなくて困ってしまっている方もいらっしゃると思います。
一概に「唾液が増える」と言っても、飲み込める程の量ではなく吐き出すしかない程の大量の唾液が出てしまう事も多く、
外出中ですと、大量にでてしまう唾液の処理に困ってしまいますよね。
唾液の質としても、粘っこくなってしまったりして、口の中の臭いが気になってしまう方もいらっしゃいます。
対策としては、家の中であれば、首にタオルを巻いていつでもたおるに吐き出せるようにしておくという方法がありますが、
タオルですと洗ったりする手間もありますし、何回も使っているうちに、においが移ってしまうのも気になってしまう事もあるようです。
そこで、少し費用はかかってしまいますが、唾液専用の小さいゴミ袋をたくさん用意して、その中に吸収性のあるトイレットペーパーなどをひきます。
そのゴミ袋の中に、唾液を吐き出してそのままゴミ箱に捨てるという方法をとると、においも気にならないですし、洗ったりする手間も省けます。
夜寝る時にも、枕元にそのゴミ袋を置いておけば、いちいち夜中に起き上がって洗面所まで吐き出しに行ったりしなくても良いですよね。
問題となるのが、外出中での対策となります。
ガムや飴、濃い味のジュースを口に含ませておくと、唾液に味がついてのみ込みやすくなるという方法もありますが、
人によっては多少味がついたところで、大量の唾液を飲み込むのは抵抗があったり、気持ち悪いという方もいらっしゃいます。
やはり、吐き出すという方法の方が手っ取り早いかもしれません。
飲み口の大きいサイズのペットボトルや、ペットボトル型のコーヒーの缶などを選んでその中に吐き出す方法を取る方が多いようです。
吐き出す姿を見られるのが嫌だと思われる方は、大きいサイズのストローをつけてストローで飲んでいるように見せて
吐き出すという方法をとると、周りからは吐き出していることが分かりにくいかもしれません。
最後に…
「唾液づわり」になってしまうと、出てくる唾液を吐き出すことばかりがいつも頭の中にある状態になってしまいがちです。
ですが、一日に何度も唾液を大量に何度も吐きだすという事は、体内の水分がどんどん出ていってしまうということです。
という事は、脱水症状になりやすいということになります。
脱水症状になると、唇が乾燥してしまったり、さらに体の循環も悪くなってしまう原因にもなってしまいます。
脱水症状にならない為にも、こまめな水分補給を心掛けるようにして下さいね。
いかがでしたか。
症状の重い「唾液づわり」になってしまうと、本当に辛い気持ちになってしまう事と思います。
ですが、出産に終わりがあるように、唾液づわりにも必ず終わりは訪れます。
今は本当に辛いとは思いますが、
どうにかして、この辛さを乗り越えようとしているあなたは、もうすでにとっても頑張り屋さんの素敵なお母さんです。
赤ちゃんに会える日の為に、どうにか頑張っていきましょう!!
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