赤ちゃんのお世話をしていると、抱っこしたりあやしたり、おむつ替えの時などでも、自然と顔と顔が近づくことが多くなりますよね。
そんな顔と顔が近づいた、ふとした瞬間に
「あれっ?赤ちゃんの口が臭い…?」と感じたことがあるのではないでしょうか?
大人になると、口臭を気にして臭いの強い食べ物を食べるのを控えたり、歯周病を気にして歯医者に行くこともあるかもしれませんが、
生まれて間もない赤ちゃんから、口臭と感じる程の「臭い」を感じることなど想像もしなかったことでしょう。
実は、大人と同じように赤ちゃんにも、多少なりとも「口臭」はあるのです。
「口臭」とは言っても、気にならない位のものであることがほとんどですが、中には「あれっ?」と思う位に、酸っぱい臭いがしたり、生臭い臭いがする時もあります。
赤ちゃんの口臭が、あまりに強いと「変な病気になっているのでは」と心配になってしまう方もいらっしゃるでしょう。
そこで、今回は赤ちゃんの口臭が酸っぱい時の原因と、対処法についてお話していきたいと思います。
お口の中が乾燥している

赤ちゃんの口臭の原因で、大きな要素となるのが「お口の中の乾燥」です。
生まれたばかりの赤ちゃんは、鼻呼吸しかできないのですが、生後3か月を過ぎた辺りから「口呼吸」が出来るようになります。
口呼吸が出来るようになっても、基本的には鼻呼吸をしていますが、赤ちゃんは、鼻の穴も小さくちょっとしたことで鼻呼吸がしずらくなってしまいます。
例えば、外に外出したりして鼻の穴に汚れが溜まったりすると、鼻くそができたりして小さい鼻の穴をふさいでしまう事もしょっちゅうありますし、
風邪をひいてしまうと、それこそ鼻水で鼻の穴が詰まってしまいます。
よく鼻がフガフガしている赤ちゃんを見かけることもありますよね。
もちろん、赤ちゃんは自分自身で鼻をかむことは出来ませんので、
口呼吸が出来るようになっている赤ちゃんは、呼吸が苦しいと自然と口呼吸になってしまいます。
また、歯が生えてきて、その歯の並びが原因となって口が開いてしまって口呼吸となってしまうこともあります。
口呼吸の時間が長くなると、口の中は乾燥してきます。
口の中は、普段唾液によって満たされているので、乾燥する事はありません。
ところが、口呼吸によって口の中が乾燥すると、細菌が繁殖しやすくなってしまいます。
この細菌が口の中で繫殖する事で、「口臭」が発生するようになるのです。
口臭だけならいいのですが、細菌が繁殖すると、虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。
また、入り口も小さく鼻毛があり、ウイルスや細菌を体内に入れこまないような仕組みになっている鼻呼吸よりも、
入り口が大きく、すぐに喉と繋がっている口呼吸の方が、ウイルスや細菌が体内に入ってきやすくなってしまいます。
その為、風邪や病気にかかりやすくなってしまうのです。
対策

赤ちゃんが、口呼吸になってしまっていたら、まずは鼻づまりになってはいないか確認しましょう。
鼻水が詰まってしまっている時には、吸引してこまめとってあげるようにしましょう。
どうしても鼻水が詰まってしまって、家庭では取り切れない場合には、小児科や耳鼻科にいくと機械を使って吸引してくれます。
また、鼻が詰まってなくても、部屋が乾燥して口の中が乾燥してしまう事もあります。
特に冬場などは、部屋の中が乾燥しがちです。
加湿器をつけたり、濡れたタオルを部屋に干したり、お茶などの飲み物をこまめに摂取するようにして、お口の中が乾燥しないようにすると良いでしょう。
歯や舌の汚れ

歯が生えてきていない赤ちゃんのお口の中のお手入れをする事は、あまりないかもしれません。
ですが、毎日ミルクや母乳を飲んでいる赤ちゃんのお口の中は、ミルクや母乳の飲み残りで、汚れてしまうこともあります。
赤ちゃんのお口の中が汚れてしまっているかをチェックするには、赤ちゃんの舌を見てみるとわかります。
大人が風邪をひいた時のように、舌が全体に白くなっている時には要注意です。
この白い物は、舌に細菌が繁殖して出来る「舌苔」というもので、これが口臭の原因になってしまうのです。
また、離乳食が始まっている赤ちゃんの場合には、食べ物の残りかすがお口の中に残ってしまいます。
特に注意していただきたいのが、糖分の多く含んだお菓子などの食べ過ぎです。
糖分は、お口の中の細菌が繁殖する時の餌になってしまいます。
当然、口臭の原因になりますし、虫歯の原因にもなってしまいます。
対策

お口の中の汚れに対する対策としては、舌が汚れている赤ちゃんには、
ガーゼなど濡らしてを指に巻き付けて、優しくふき取るようにして下さい。
たまに、大人の方で歯ブラシで舌をゴシゴシする方がいらっしゃいますが、そうすると舌を傷つけてしまいますので、できるだけ優しく扱ってあげて下さいね。
歯が生えてきている赤ちゃんには、歯ブラシをしてあげるようにしましょう。
また、離乳食後にお茶を飲ませてあげると、お口の中の洗浄と殺菌効果も期待できますので、
歯磨きがまだ上手く出来ない赤ちゃんには、食後にお茶を飲ませてあげるようにしてみるのもいいでしょう。
ここで甘いジュースなどを飲ませてしまうと、お口の中は糖分でいっぱいになってしまって逆効果になってしまいますので注意してくださいね。
病気による口臭
一番心配になるのが、キツイ口臭が病気によるものではないのかということだと思います。内蔵系の病気によって、体の中からの臭いが口臭となって臭ってくることもありますが、
その場合、赤ちゃんの機嫌がいつもよりも悪くなったり、ぐずり続けたりして、口臭以外にも、赤ちゃんから何らかの体の具合が悪いサインがあります。
ですから、赤ちゃんは至って元気、ニコニコしてご機嫌な場合には口臭がするからと言っても内蔵の病気を疑わなくても良さそうです。
ですが、赤ちゃんが鼻かぜをひいていたり、鼻詰まりや痰が続いている場合には、
中耳炎や副鼻腔炎、副鼻腔炎が慢性化すると、鼻の奥のほうで膿が溜まってしまう「蓄膿症」になってしまう可能性もあります。
鼻づまりからのお口の乾燥で、口臭がする時もありますが、
蓄膿症になってしまうと、鼻の奥で溜まった膿の臭いが口から出てきてしまうことによって、「口臭」のようになってしまうこともあります。
対策

中耳炎や副鼻腔炎は、赤ちゃんによっては痛みなどを感じることも無く進行していってしまうこともあります。
熱も出ないでご機嫌に遊んでいる、ただ鼻水や痰が続いている…といった症状の場合、「ほっといても治る」と軽く見てしまいがちです。
ですが、ほっといたことによって、今の症状を長引かせてしまったり、目には見えないところで悪化していってしまう可能性もあるのです。
ですから、ちょっとした症状であっても、早めに小児科や、出来ましたら専門家である耳鼻咽喉科に診てもらった方が、
症状も軽く済む可能性が高いですし、蓄膿症まで悪化させずに済むはずですので安心ですね。
まとめ
いかがでしたか。「口臭」と一言で言っても、お口の乾燥から、病気のサインであることまであり、原因は様々です。
まずは、赤ちゃんの様子や、毎日の生活の様子を振り返ってみて「口臭」の原因を突き止めてみることから始めてみましょう。
口臭の原因がわかって、気になっていた口臭が気にならなくなれば、
赤ちゃんとの生活もさらに楽しいものとなることでしょう!
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