冬の病気で代名詞となるのが、「インフルエンザ」ではないでしょうか?
小さいお子さんのいる家庭では、毎年のように予防接種を受けたり、手洗いうがいをするようにしたり、外出にはマスクをするようにしたりして、インフルエンザにならないように予防しているご家庭も多いのではないでしょうか。
そんな風に予防して予防接種を受けていたとしても、インフルエンザにかかってしまったなんて話もよく耳にしますよね。
それは、インフルエンザにはA型、B型、C型という大きく分けて3種類の型があるという事が関係しているのです。
では、インフルエンザのA型,B型,C型とは、どのような違いがあるのでしょうか?
今回は、インフルエンザの種類によっての症状の違いや、潜伏期間などについてお話していきたいと思います。
インフルエンザとは

先にもお話しましたが、インフルエンザは、大きく分けてA型、B型、C型に分けられる「インフルエンザウイルス」に感染することで発症する病気です。
感染力がとても強く、一人の人がインフルエンザウイルスに感染してから、体内でウイルスが増殖し症状が発症するまでの期間、
いわゆる「潜伏期間」は1~3日と言われています。
さらに怖い事に、全く症状のない「潜伏期間」であっても、他の人への感染力を持っているので、ご自身がインフルエンザに感染していると気付かない間に、どんどん感染が広がっていってしまうのです。
インフルエンザウイルスの感染経路としては、「飛沫感染」と言われる、感染した人の唾液など体液による感染(咳やくしゃみなどで感染)と、
「接触感染」と言われる、感染した人の唾液などがついた物を触って、ご自身の口や鼻、目などを触ることでの感染があります。
インフルエンザのほとんどの場合が「飛沫感染」で感染が広がっていくと言われています。
そう考えると、インフルエンザが流行している時期には、感染予防の為にも、外を出歩く時にはマスクをしたり、帰宅時には手洗いうがいをした方が感染予防には良いということが分かりますね!
また、高熱や悪寒、下痢などの症状が落ち着いてきても、そこから3日程は体内にウイルスが残っていて感染する可能性がありますので、その期間は、出来るだけ外出は避けていただくようにすると良いでしょう。
ではここからは、インフルエンザのA型・B型・C型の違いについてお話していきたいと思います。
インフルエンザA型とは

<特徴>
インフルエンザウイルスA型は、一番重篤な症状が出やすい型になります。
一般的に皆さんが「インフルエンザ」と聞いて思い浮かべるような、高熱や関節痛といった症状がでます。
また、A型のインフルエンザウイルスは、人以外にも感染しますので、最近よく耳にする、
「鳥インフルエンザ」や「豚インフルエンザ」といった人以外に流行するインフルエンザも、A型のインフルエンザウイルスの感染と言われています。
もちろん、インフルエンザに感染した鳥や豚から、人にも感染しますので、インフルエンザにかかってしまった動物の処理をする時には、十分な対策が必要になってきます。
よくニュースなどで見る映像でも、処理をしている方は、感染しないように頭からつま先まで宇宙服のような物を着ていますよね。
更に、A型インフルエンザウイルスの怖いところは、ウイルスの形を変化させていくことができるという事です。
ですから、一度A型インフルエンザに感染した人であっても、次の年には違った形に変化しているので、毎年A型インフルエンザに感染してしまうなんてこともあり得るのです。
また、A型のインフルエンザウイルスが、人類が感染したことのない形に変異してしまうと、誰も免疫を持っていない為に大流行してしまう事もあります。
これがいわゆる「新型インフルエンザ」と呼ばれるインフルエンザになります。
インフルエンザの予防接種をしたのに、インフルエンザに感染してしまったという方は、A型のインフルエンザに感染していることがほとんどです。
それは、インフルエンザの予防接種の作り方と関係があります。
インフルエンザの予防接種は、今年流行しそうなインフルエンザウイルスを予想して、毎年A型とB型のインフルエンザウイルスを混ぜて作られます。
ですが、A型のインフルエンザウイルスは、毎年ドンドン形を変えて種類が増えていってしまうので予想が難しい面があるのです。
ですから予想が外れてしまう事もあり、新型インフルエンザやワクチンに入っていないA型インフルエンザウイルスが流行した場合、予防接種だけでは感染を防げない場合も十分にあり得るのです。
そうは言っても「だからインフルエンザの予防接種を受ける意味がない」といっている訳ではありません。
仮に、予防接種では完全に防げずにインフルエンザに感染してしまったとしても、
症状としては軽い症状で済んだり、早い期間で回復するという事が期待出来ますので、できる限り予防接種は受けておいた方が良いでしょう。
<症状>

気になるA型インフルエンザの症状をご紹介していきたいと思います。
・ガタガタ震えるような悪寒
・筋肉痛や関節痛の全身の痛み
・唾を飲み込むのも痛いほどの喉の痛み
・38℃を超える高熱
私も、以前にA型インフルエンザに感染したことがありますが、その時には、入浴中であるのにもかかわらず急に震える位の悪寒がして、その後、夜中にかけて40℃を超える熱が出ました。
真冬で寒い部屋であるにも関わらず、あまりの暑さに目を覚ましました。
そのままフラフラしながらトイレに行ったのですが、トイレから出たところで意識を失ってしまい、
倒れた時にすごい音がしたらしく、その音で目覚めた家族に救急車を呼ばれ、行った先の病院で「A型インフルエンザ」との診断を受けました。
私は、インフルエンザに感染したことがほとんどなかったので、「A型」と言われても、なんのことやらよくわかっていなかったのですが、
今考えると、確かに風邪にしては、初めからものすごい激しい症状がでたなと感じます。
A型のインフルエンザの特徴としては、悪寒や発熱がひと段落した後に、節々の痛みが出たり、喉の痛みや咳などの症状が出てくるようになる事があります。
また、インフルエンザウイルスによって免疫力が落ちている時に、肺炎や脳症といった他の病気との合併症を引き起こすこともあり、合併症を引き起こすと、命の危険性が心配されることもあります。
特に、小さなお子さん、65歳以上の方、妊娠中の女性が、合併症を引き起こしやすいと言われていますので十分な注意が必要になります。
インフルエンザB型とは

<特徴>
次にB型インフルエンザについてお話していきたいと思います。
B型のインフルエンザの特徴としては、消化器系の症状が出やすいという事になります。
B型のインフルエンザウイルスは、人と人の間でしか感染しませんが、感染力としてはA型のインフルエンザと同じ位の感染力があります。
ですから、毎年ある程度の流行が報告されていますよね。
A型のようにウイルスの形をドンドン変えていくという事はなく、ウイルスの種類は「山形型」と「ビクトリア型」の2種類しかありません。
<症状>
B型のインフルエンザウイルスに感染した直後には、A型インフルエンザと同じように悪寒がしたり発熱したりという症状がでます。
ですが、発熱したとしてもA型インフルエンザのように急な高熱という訳ではなく、38℃以下の微熱程度で済む場合も多く、
それよりも下痢をしたり嘔吐をしたりするという症状の方が強くでる可能性が強いので、食中毒やノロウイルス、消化器系の風邪などと勘違いしてしまう事もあるようです。
もしも消化器系の風邪などと勘違いしてしまって、下痢止めや吐き気止めの薬を服用してしまうと、回復するまでに時間がかかってしまいますので、
特にインフルエンザが流行している時期には、個人の判断での薬の服用は控え、一度病院を受診して医師に確認してからに服用した方が良いでしょう。
インフルエンザC型とは

<特徴>
最後にC型のインフルエンザについてお話していきたいと思います。
あまり聞きなれないC型のインフルエンザですが、A型やB型のインフルエンザと比べて、症状としては軽い症状で済むことが多いのが特徴です。
また、ウイルスも一種しかなく、ウイルスの形を変える事もないので一度感染すると免疫がついて、それからは感染する事はほとんどありません。
中には「でも私は、C型のインフルエンザに感染した記憶はないな…」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私も、C型インフルエンザに感染した記憶はありません。
それは、C型のインフルエンザは、多くの方が幼少期に感染して免疫を持っているのですが、
症状が鼻水がでたり、鼻が詰まったり、少しの微熱が出たりといった軽い症状ですので、風邪と勘違いして終わってしまっていることがほとんどだからです。
<症状>
先ほどもお話しましたが、症状としては鼻詰まりや鼻水、微熱程度の軽い症状です。
稀に、幼少期にC型のインフルエンザウイルスに感染していなくて、大人になってから感染してしまう方もいらっしゃいますが、
その場合であっても重症化する事はあまりなく、軽い風邪のような症状で済むことがほとんどです。
C型のインフルエンザで注意が必要なのは、2歳以下の小さなお子さんが感染した場合です。
まだ免疫力が弱いので、稀に重症化してしまって高熱が出たり、下痢や嘔吐といった症状が出てしまう事もあります。
鼻水や鼻詰まりだけだからといっても、小さなお子さんである場合には、症状が何日も続く場合には、一度病院を受診する事をおススメします。
もしもインフルエンザになってしまったら

どんなに予防していても、インフルエンザに感染してしまう時もありますよね。
そんなときには、どのように対処していけば良いのでしょうか?
<安静にする>
インフルエンザに感染してしまうと、一気に体力や免疫力を使ってしまいますので、まずは無理をせず安静にする事が第一です。ゆっくり体を休めましょう。
<病院を受診する>
急に高熱がでると、すぐに病院に駆け込みたい気持ちになりますが、インフルエンザに感染しているかどうかを調べるには、ウイルスが最も増えた状態であることが望ましいので、
ウイルスに感染して、症状が発症してから12時間以上48時間以内である必要があります。
ですから、発症してすぐに検査しても「陰性」になってしまう事もあるのるのです。
そうなるとインフルエンザに対する薬も処方してもらえませんので、また後日に改めて検査の為に受診しなくてはならなくなる可能性もあります。
辛い気持ちはあるかと思いますが、インフルエンザが疑われる場合には、
出来れば症状が出てからしばらく時間が経った後に病院を受診していただくと、二度手間にならなくて済むかと思います。
<食事は無理しないで、水分補給はしっかりと>
高熱や嘔吐などの症状があると、食欲が落ちてしまう事もあるでしょう。身体も栄養を吸収することよりも、インフルエンザウイルスと戦う為に一生懸命ですから、無理にスタミナがある物を食べる必要はありません。
食事は、ゼリーやヨーグルトなどでも良いので、食べられそうな物を取るようにして、
食べられるようになっても、少しの間は雑炊やうどんといったような胃に負担のかからないような消化の良い物を取るようにすると良いでしょう。
その代わり、水分補給はしっかりととる必要があります。
高熱や下痢、嘔吐などの症状があると、身体からは大量の水分が出て行ってしまいます。
真水を飲むよりは、経口補水液などを摂取する方が体内への水分の吸収が早くなりますのでおススメです。
<二次感染予防もしっかりと>
症状が発症して3日程するとピークを過ぎ、体としては大分楽になってきますが、まだ体内にインフルエンザウイルスは残っています。二次感染を防ぐためにも、どんなに症状がなくなったとしても、発症してから5~7日は外出をしないように心がけましょう。
また、同じ家で生活しているご家族への感染を防ぐ為にも、部屋はこまめに換気するようにしましょう。
ウイルスは、乾燥したところを好みますので、加湿器を使うのも有効ですね。
まとめ
いかがでしたか?インフルエンザと一言にいっても、感染した種類によっても、感染した人によってもその症状は様々です。
また、同時期に二つのインフルエンザウイルスに感染してしまう方もいれば、何年もインフルエンザに感染しない方もいますね。
ですが、もしもインフルエンザに感染してしまったとしても適切な処置をしていれば、ほとんどの場合で1週間ほどで回復に向かいます。
インフルエンザをむやみに怖がらないようにする意味でも、この記事で少しでもインフルエンザに対する知識をつけることが出来るといいのではないでしょうか。
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