妊娠中には、「早くお腹の赤ちゃんに会いたい!!」と、赤ちゃんの誕生を心待ちにしていた方も多いのではないでしょうか。
生まれて間もない赤ちゃんは、ビックリするくらい何もかもが小さくて、本当に可愛いですよね。
しかし、「可愛い」と思う気持ちとは裏腹に、想像以上に大変な育児に「育児ノイローゼ」になってしまって、悩んでしまうママさんも多くいらっしゃいます。
そこで今回は、「育児ノイローゼ」とは何なのかについてと、育児ノイローゼの症状と対処法についてお話していきたいと思います。
育児ノイローゼとは?
育児ノイローゼとは、赤ちゃんを出産したママさんが、情緒不安定になってしまったり、眠りたいのに眠れなくなって不眠になってしまったり、気持ちが沈んでうつ状態になってしまう事を言います。
育児ノイローゼになってしまう原因とは、どういったことなのでしょうか。
一番の原因は、産後に起こる急激なホルモンバランスの崩れと言われていますが、その裏側の原因として、「母親の孤独化」という現代ならではの事情も大きく影響しているように感じます。
待ちに待った赤ちゃんとの生活!!
可愛いと思う気持ちとは裏腹に、実際の生活では、昼夜関係なく泣く子供。
おむつ替えに、おっぱいやミルク、寝かしつける為に何時間も抱っこしてユラユラして…と、お世話をする方は、ビックリするほど休む暇がありません。
そんな時に、近くに頼れる方や親などがいれば、どうしても疲れてしまったら、少しの時間だけ「赤ちゃんをお願いする」ということも出来るかもしれませんが、
最近では、結婚を機に地元を離れたり、近所の人達との交流もあまりしないことなどもあって、近くに頼れる方がいないという方も増えてきています。
そうなると、ママやパパが付きっきりで赤ちゃんのお世話をする事になります。
赤ちゃんが新生児期の1~2か月ほどは、あまり外に出る事も出来ませんから、1日中パートナー以外の人とは会話もせずに赤ちゃんのお世話をする…なんてことにもなりかねません。
もちろん、自分の子供ですから可愛いのですが、やはり赤ちゃんに付きっきりで休む暇がない状態が続いてしまうと、肉体的にも精神的にもどんどん疲労がたまってきてしまいます。
ところが、なかには弱音も吐かずに一生懸命頑張って、赤ちゃんのお世話をしてしまう方がいらっしゃいます。
そうすると、自分では気づかないうちに身体と心は疲れていってしまって、ある時に突然、身体と心が悲鳴を上げるなんてことになってしまうのです。
このように、育児で精神的に追い詰められた状態になってしまうと、「育児ノイローゼ」と呼ばれる状態になってしまがちです。
また、育児ノイローゼは乳幼児期だけにおこる訳ではありません。
2~3歳の幼児期、一般的にイヤイヤ期と言われる年代のお子さんとの育児疲れによって起こる事もあります。
では、育児ノイローゼにはどのような症状があるのでしょうか。
ここからは、症状とそれに対する対処法をご紹介していきたいと思います。
育児ノイローゼの症状と対処法

<情緒不安定>
育児ノイローゼの症状として、一番多いのが育児に対して情緒不安定な気持ちになってしまうという症状です。これは、多かれ少なかれほとんどのママさんが感じる気持ちなのではないでしょうか。
初めての子育てですと、おむつ替え一つでも「これでいいの?」と不安になります。
慣れないことだらけで、何が正解かも分かりません。
特に、お子さんが小さいうちは何かと神経を使ってしまいますから、余計に情緒不安定になってしまいがちです。
周りにいる同じ位のお子さんと、自分のお子さんとを比較してしまって落ち込んでしまう…なんてこともたくさんあるでしょう。
私も、結婚を機に誰も知り合いがいなところへ引っ越しをししまた。
友達もいなければ親も近くにいないとなると、子供が生まれてからしばらくは、夫が帰ってくるまでは誰とも話さないという日々が続きました。
それでも、子供が機嫌が良ければいいのですが、子供が理由も分からず泣いたり、体調を崩したりしている時にはとても不安でした。
また、ホルモンバランスが崩れていたせいなのか、何かと感情的に考えてしまって、ちょっとしたことでも涙がとまらなくなってしまう事もありました。
対策
不安な事があると、それが気になって仕方なくなってしまいますよね。インターネットで調べるのは簡単で良いのですが、時にはその情報によって、ますます良くない事しか考えられなくなってしまう事もあります。
そんな時は、市町村で相談室などがありますので、そこを利用して電話相談をしてみたり、育児経験のある親や友達に相談してみると良いでしょう。
赤ちゃん、子育て相談室
全国各地のデパートや量販店のベビー用品売り場などの「赤ちゃん(ベビー)休憩室)」で、保健師や助産師による健康相談・栄養相談、お子さまの身長・体重測定を無料で行っています。妊娠中の方も子育て中の方もお気軽にお立ち寄りください。
また、かかりつけの小児科の先生に聞いてみるのも良いですね。
不安に思っていることが、実は大した事ではなかったという事は本当に多いものです。
私は、親よりは育児経験のある友達に、ちょくちょく連絡を取っていました。
親の世代とは、育児の考え方が違ってきているというのもありましたし、最近実際に育児を経験している友達からの話は、
「自分だけではないんだ」と、感じる事が出来て、何度となく救われました。
パパさんと話すことも大切ですが、同性の友達の方がより気持ちを共有し合えたな、という気持ちはありました。
<眠れない>

夜中にオムツやおっぱいで、赤ちゃんに何度も起こされる事は仕方のないことなのですが、
お子さんはぐっすりと眠っているのに眠れなくなってしまったり、お子さんは近くにいるのに、なぜかお子さんが大丈夫か心配になってしまって眠れない…なんてことが起こる事もあります。
疲れているのに眠れないのは、本当に辛いですよね。
対策
お子さんと離れる時間を、意識的につくってみるのも効果的です。パパさんがお仕事で忙しい時には、親御さんに応援に来てもらっても良いでしょう。
また、親御さんにも頼れない時には、育児支援をしているところに相談に行ってみるのも良いでしょう。
ベビーシッターさんや一時保育などに預けて少し休息をとってみても良いですね。
私も、子供と同じ部屋で寝ていたのですが、新生児期は、いつ起こされるか分からない不安と緊張からか、
子供が一緒にいる部屋だと、自分が眠れなくなってしまった事がありました。
日中も眠くて、とても辛かったのですが、夫が休みの時に子供とは別室で仮眠をとらせてもらう、などして何とか乗り越えました。
こんなに眠たいのに、自分がどうして眠れないのかも分からず、不安な気持ちでいっぱいでしたが、
子供が段々と寝てくれる時間が長くなってきて心も落ち着いてきたのか、少しづつ自分も眠れるようになっていきました。
<楽しい気持ちになれない>
可愛い我が子との二人っきりの時間。生まれる前は、こんな事したい!あんなことしたい!と、お子さんとの生活を楽しみにしていたはずなのに、お子さんと一緒に居ても、楽しい気持ちになれない…。
そればかりか、お子さんに対して大きい声を出してしまったり、叱ったりしてしまう。
余計にお子さんは機嫌を悪くして、ますます楽しむことなんて出来ない。
といったように、育児を楽しむことが出来なくなってしまう事もあります。
対策
お子さんは、こちらの期待通りの行動はしてくれませんよね。また、こちらも想像通りの親にはなれていないかもしれません。
ですが、それでも良いのだと思います。
不思議なもので、親が笑っていれば子供も自然と笑顔になります。
育児が楽しくないな…と感じてしまったら、もしかしたらお子さんにばっかり目が向いてしまって、自分が楽しい事をする事を忘れてしまっているのかもしれません。
たまには、家事もそこそこに、自分の好きな本を読んで見たり、テレビを見てみたり、外に出て散歩してみるのもでしょう。
授乳中であっても、たまにならケーキやおやつを食べたっていいのではないでしょうか。
このように、ご自身の好きな事をやる時間を意識的につくってみると良いですね。
ママが根詰めて、自分の楽しみを我慢ばかりしていると、ますますお子さんとの時間が楽しくなくなってしまいます。
また、親子広場などに行くと、最初は知らない方たちばかりで気後れしてしまいますが、
何度か通ううちに、顔見知りのようになっていって話せる方が出来るようになったりします。
育児の悩みを共有できる方がいると、とても気持ちが楽になりますよね。
保育園や公民館などですと、お子さんを保育室に預けてママさんは講習を受けたり、サークルを開いたりなんて事をやっていたりもしますから、そういったところに参加するのも良いですね。
ママさんがリフレッシュできたら、またお子さんと楽しむ時間も作れるようになっていきますよ。
<完璧な育児ができない>
結婚しても仕事を続ける女性が増えていますが、バリバリと完璧に仕事をこなす女性は、育児でも「完璧」を求めてしまいがちです。また、仕事はしていなくても、真面目な方は、良い奥さんで良いママでもいたいからと、育児も家事も完璧にこなそうと考えてしまう方もいらっしゃいます。
もちろん、その考え方が悪い事ではありませんが、育児は自分の思い通りにならない事がほとんどです。
ママが何も悪い事をしていなくても、なかなか泣き止まない赤ちゃんもいますし、
おっぱいがなかなか出てこなくて、一日中おっぱいに追われて家事がほとんどできない…なんてことも日常茶飯事の出来事です。
それを「仕方のない事」とは思えず、「こんなはずじゃない」「自分は完璧に出来るはずなのに」などと、自分自身を責めてしまうと、とっても辛くなってしまいますよね。
その状態が続いてしまうと、完璧に出来ない自分が嫌になり、さらに頑張ってしまったり、逆に自分には育児は向いていないんだと、
自信なくしたり、さらには育児を放棄気味になってしまう事にもなりかねません。
対処法
育児には、周りの人達と協力してもらって乗り越えていく時期というものがあります。これは、ママがどんなに有能な方であっても同じ事なのです。
頑張りすぎてしまうママさんは、そのことを受け入れることがまず第一段階です。
一生懸命頑張れるママさんは、もしかすると育児のパートナーであるパパさんにも助けを求めない事もあるでしょう。
まずは、自分だけで頑張る事ではない事を認め、ご自身が倒れてしまう前にパパや親などの周りの方の協力を求めましょう。
そして、それは全く恥ずかしい事ではありません。
それどころか、今まで頑張ってきた自分を認めて、褒めてあげて下さいね。
パパさんや親御さんに頼れない場合には、市町村が運営している子育て支援センターや相談室などを利用してみましょう。
自分の弱い所を見せるのが嫌な方もいらっしゃるかもしれませんし、こんな気持ちになってしまうのは自分だけだと思われいる方もいらっしゃるかもしれませんが、
自分の気持ちを聞いてもらう、という事は、とても大切なことですし決して恥ずかしい事ではありません。
<育児放棄したい>
お子さんとの時間を楽しめないどころか、「もうこの子と一緒にいたくない!」と感じるようになってしまったら、心から、危険サインが出ています。
対策
涙がとまらなくなってしまったり、お子さんに手を出してしまいそうになる前に、誰かに気持ちを話しましょう。病院に行くのが抵抗があるのなら、無理して病院に行かなくてもいいのですが、
誰かに、ご自身の話を聞いてもらう事や、辛い気持ちを共感してもらう事は必要です。
お子さんよりも、まずはご自身を大切にしてあげて下さい。
また、そんな気持ちになってしまった自分は「育児ノイローゼ」だ、などと悲観的になる必要は全くありません。
育児ノイローゼは、出産を終えたママさんであれば、誰であってもなる可能性があるのです。
そして、ママさんであれば、誰であっても少なからず感じている気もちなのです。
まとめ
いかがでしたか?「育児ノイローゼ」になってしまう原因はそれぞれです。
育児に疲れているな…と感じたら「子育てを頑張っている証」と思って、
少しくらいは、子育ては少し置いといて、羽を伸ばしてリフレッシュタイムを作ってみてもいいのではないでしょうか。
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