2歳位になってくると、もうすっかり赤ちゃんではなく「子供」といった雰囲気になってきますよね!
そろそろ、自分の興味のある物に対して指を指したり、少しずつではありますが、「意味のある言葉」を口にするようになってくる時期ですね。
同年代のお友達には言葉が出始めているのに、「あれ?うちの子は全く言葉が出てこない!」という事になると、
「これってこの子に何かあるのかな…?」と、心配になってしまいますよね。
お子さんの言葉を話し始める時期が、平均よりも大きく遅れてしまう事を、「言語発達遅滞(げんごはったつちたい)」といいますが、
今回は、言語発達遅滞の原因とはどのような事があるのかについてと、そういった場合に、どのように対策をすれば良いのかについてお話していきたいと思います。
「言語発達遅滞」とは

「言語発達遅滞」と文字にすると、少し深刻な状態のように感じられますが、そういうことではありません。
簡単に言うと、言葉の理解が進んでいる時期になっているのに、こちらの話している事を理解している様子があまりなかったり、
お子さんの方からも、意味のある「言葉」がなかなか出てこない状態のことを言います。
もちろん、お子さんの発達には個人差がありますから、現在、言葉が出てこないからといっても、
その後、急激に言葉が出てきて、小学校に上がる頃には全く気にならなくなることもよくあることです。
ですが、言葉の遅れが何かしらの障害に気付くきっかけになることもあるのは事実です。
そこでここからは、言葉の遅れとなる原因はどのようなことがあるのかをご紹介していきたいと思います。
言葉が遅れる原因と対策とは

<言葉の不足>
子供が、言葉を話し始める為には、生まれてからずっと聞き続けてきた「言葉」の意味を理解すること、「言葉」の音を発することが、出来るようになる必要があります。その二つが出来るようになって、初めて「言葉が声にだすこと」が出来るようになるのです。
それが出来るようになるには個人差がある、という事が大前提になります。
言葉が出てくるのが遅かったとしても、こちらの言っていることに対しては、ちゃんと理解しているような反応があり、
言葉以外の成長には、気になるところが無ければ、それほど心配する必要はない事がほとんどです。
そのような場合、考えられる大きな原因の要素に、お子さんに対して「言葉をシャワーのようにたくさん浴びせる」事が不足していることが挙げられます。
要するにお子さんとのコミュニケーションが不足しているということです。
お子さんが言葉を口にするまでには、脳の中で、周りの人たちからかけられた、たくさんの言葉が積み重なっていき、
「この言葉を理解したい」「この言葉を表現したい」という状態になることが大切になります。
よく子供がテレビで見たタレントのとか他人の口癖をマネしているのを見ることありますよね。
頭の中で言葉でいっぱいになり、表現したいで満たされると、溢れるように「言葉」が声となって出てくるのです。
対策
現代は、核家族の家庭が多くなっていますし、テレビやスマートフォンの発達が進んで、家庭内での「会話」もひと昔前より少なくなってしまっています。ですから、必然と生の「言葉」を耳にする機会が減ってきてしまっていると言えます。
お子さんの言葉が出てくるのを促す為には、まだ話せない時期から、意識的に「お子さんへ話しかけること」を増やすようにしたり、
家の中ばかりではなく、なるべく外へ連れ出して、言葉がたくさん飛び交う環境にしてあげるようにしてあげると良いでしょう。
ですが、言葉がでてきても、言葉の話始めがゆっくりだったお子さんは、周りのお子さんと比べると、少し遅れを感じてしまうかもしれません。
それでも、小学校にあがる位までには、他のお子さんと何ら変わりない程におしゃべり出来るようになっていきますから、心配し過ぎないようにして下さいね。
<耳の具合が悪い>
赤ちゃんの耳が聞こえているかを診断する「新生児聴覚スクリーニング検査」は、現在ほとんどの場合で、出産した病院で受けることになっています。
ですが、その新生児の聴力検査はパスしていても、お子さんの耳が「聞こえずらい状態」である場合があります。
一般的に言われる「難聴」と言われる状態です。
難聴の場合、どの程度聞き取れるかは一人一人違ってきますが、程度があるにしても聞こえにくい状態ですと、言葉がなかなか頭まで届いていきません。
「言葉を理解すること」や「言葉を話すこと」は、出来る力をもっていますが、難聴のお子さんにあった訓練を受ける必要も出てきます。
対策
難聴のお子さんの場合、「言葉を話す」という時期の前から、こちらの呼びかけに全く反応しなかったり、大きな物音がしても、びっくりしてそちらを振り向くことが無かったり…といったことがみられるでしょう。
もしも、「あれ?」と思う事があったのなら、早めに医療機関に相談してみると良いでしょう。
小さいお子さんに対して、正確な聴覚検査を行う事はなかなか難しいかもしれませんが、
お子さんの言葉の遅れの原因が分かったり、その後どのようにしていけば良いのかなども相談出来れば、親御さんの心配も少し落ち着くことができるかもしれません。
余談ですが、私は先日、補聴器を付けたママさんとお話する機会がありました。
とは言っても、初めは補聴器を付けていることに全く気が付なくて、普通に楽しく育児の会話をしていました。
とてもお話上手な素敵なママさんでした。
お子さんが二人いらっしゃいましたが、お子さんとの会話も至って普通でした。
そのママさんが、ふと横を向いた時に補聴器に気がついたのですが、補聴器もとっても小さくて、初めはピアスかな?と思ったほどでした。
私は、「私となんら変わらないんだな」と、とても親近感を湧きましたし、何も気にしていない様子のそのママさんを、
とっても素敵に思って、その子供たちの可愛さにもメロメロになって帰ってきました。
<脳の具合が悪い>
脳の言語機能を司る部分に損傷がある場合、言葉が遅れることがあります。脳が損傷している場合、脳性麻痺と言われます。
脳性麻痺の場合、言語機能の部分以外にも運動機能を司る部分の損傷をしていることが多く、
そういった場合には、赤ちゃんの頃から、首がなかなか座らなかったり、寝返りが出来なかったり…といった症状がでることがあります。
対策
脳性麻痺の場合、何かの事故にあってしまった、ということでない限りは、出産前後で起こったと考えられます。大抵の場合が、出産した病院で診断されることと思います。
ですが、たとえ脳の一部が損傷してしまったとしても、他の部分は発達していく力を持っています。
脳は損傷したところをカバーするように、他の部分が発達する…という話も聞いたことがあります。
医療機関での訓練などを受けながら、ぜひ、お子さんの未知なる力を信じてあげて下さいね。

<知的障害>
以前は、知恵おくれとも言われていましたが、最近は知的障害というのが一般的になってきました。知的障害のお子さんは、「言葉を理解する」事が難しい、という特徴があります。
言葉自体を理解出来ないので、脳の中では「言葉を話したい」という状態には、なかなかなりません。
ですが、言葉以外での表現で感情を表してくるお子さんも多く、一緒に過ごす時間の長い親御さんは、
仕草や表情で、お子さんの伝えたい事を理解出来るようになっていくこともあるでしょう。
そういった事もあり、お子さんが小さいうちは知的障害であることに気づかない親御さんも多いと言われています。
対策
あまりにも、言葉が出てくるのが遅かったり、言葉が出てきても何を言っているのか全く分からないという事が何年も続いていて、親御さんがお子さんに何らかの障害があるのでは?と気になるようなら、「発達検査」というものを受けることで、知的障害であるかを診断することができます。
ですが、たとえ知的障害であったとしても、楽しく優しくコミュニケーションを取るようにしてあげれば、
その子の中で「楽しい気持ち」から、「話したい」気持ちも出てきて、少しづつであっても言葉が出てくることが期待出来ます。
その子との触れ合う時間を大切にしてあげると、お子さんの気持ちの変化を感じ取ることが出来るようになっていくことでしょう。
<発達障害や自閉症>
発達障害の中には、アスペルガー障害と言われる言葉の遅れがない障害もありますが、多くの場合、発達障害や自閉症のお子さんには言葉の遅れが見られます。
また、言葉の遅れ以外にも、好きな物やテレビには反応を示すのに、こちらの呼びかけには無反応であったり、
何か特定のおもちゃに執着したり、日課となるような行動が出来ないと癇癪を起してしまったり…といった、少し気になる行動がみられる事があります。
対策
自閉症や発達障害のお子さんは、もともと「自分以外の人とコミュニケーションをとる事が苦手」という特徴が原因となって、言葉がなかなか出てこないのですが、当の本人は全く悪意を持っていません。
もちろん、言葉が話せないという訳ではありませんから、お子さんが、言葉に興味をもつようになれば自然と言葉を話す日がやってきます。
言葉の遅れ以外にも、自閉症や発達障害を疑うような行動がみられるのならば、一度専門機関に相談に行ってみると良いでしょう。
その子によっても、接し方などが変わってくると思いますし、お互いが楽しく暮らしていくにはどうしたらいいのかを相談してみるのもいいでしょう。
うちの子が7ヶ月位の時に、地域の支援センターでベビーサインの講習会に参加したことがありました。
その講師の方のお子さんは、小学生になって発達障害の診断を受けたそうです。
ですが、その講師の方はとっても明るく「ベビーサインは、とっても役に立ちますよー!」と話していらっしゃいました。
言葉はなかなか出てこないのですが、何かを訴える時に、その子はジェスチャーで言葉を表現することが出来るのだそうです。
その講師の方が、発達障害と診断を受けるずっと前、赤ちゃんの頃から、
「美味しいね」と言っては美味しいのサインをする、「痛いね」といっては痛いのサインをする、という事を、お子さんと一緒に楽しみながら繰り返し行ってきからなのでしょう。
ベビーサインは、障害の垣根を無くす素敵な方法だなーと感じたのを、とてもよく覚えています。
まとめ
いかがでしたか?
お子さんとのコミュニケーションを図ることが出来る「言葉」というツールは、
出来るようになれば、とても楽ですし、楽しい事も増えるかもしれません。
ですが、もしも「言葉」がなかなか出てこなかったとしても、お子さんとのコミュニケーションの方法は他にもたくさんあります!
お子さんの言葉を促す一番の方法は、「楽しい時間を共有する」という事です。
声を出してたくさん笑う、一緒遊んだり、抱きしめたりして子供と触れ合う、
子供が興味を示したものに、大人も興味を示して「これは○○だね」と話しかける…
そういった事を繰り返していくことで、言葉が出てくるのを促すことが期待出来ます。
まずは、親御さんが焦らずにどっしりと構えることが一番かもしれませんね!
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